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2004年07月29日 HRI放談会 (於:如水会館)

テーマ:プロ野球問題

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 一橋総研では、元プロ野球選手である小林至・江戸川大学助教授を招いて、今話題のプロ野球問題について議論した。以下にその概要を紹介する。

小林至氏

 今回のプロ野球再編問題では、既にマスコミでもかなり言い尽くされているが、一つだけあまり議論されていない事として、公共性の問題がある。例えば、ダイエーホークスは地域化を果たし、福岡ドームはいつも満席である。それでも市の支援は受けていない。それは公とプロ野球の理念の違いによるものであり、プロ野球が興業として行われているからである。他のチームも同様に公共性を勝ち得ていない。

 アメリカでは、1980年以降、4大スポーツの競技場の建設費は、70%を自治体が負担している。また、広告看板、売店の売り上げは、ほとんどが球団に入る仕組みになっている。メジャーリーグでは、全30球団を平均すると、毎年、市から700万ドルの援助を受けている。アメリカの自治体は財政難であり、福祉は切り捨てられている。こんな中でもメジャーリーグが援助を受けているのは、公共性を勝ち得ているからである。

 公共性を勝ち得た要因として、地域への貢献がある。例えば、メジャーの傘下のマイナーリーグでは、選手がシーズン中に、地元の小中学校の体育の教師を務める。日本の選手は、報酬をもらってサイン会は行うが、地域への貢献という意味では、個別に多少やっているものの、全体として何か動いているということはない。日本のプロ野球がこれから上手くいくかどうかは、公共性を勝ち得るかどうかが大きな課題になるだろう。

 ダイエーは地域化に成功し、球団と球場で毎年黒字を挙げている。日本ハムも地域化を進めている。この流れの中で、巨人追随の体制自体が時代遅れになってきている。巨人の後を追うだけでは、プロ野球は長期的に成功することは難しい。

 これからは、プロ野球の試合に付加価値をつける必要がある。家族で野球場に来られるような環境作りが必要。メジャーリーグには、ゲームセンター、遊園地、バーベキュー場などが備わっている球場もある。これにより家族連れの客を集めることができる。日本の球場では野球を見ることしかやることがない。これでは大人は子供を連れてくる気にはならないのではないか。都会の人間には自由時間が4時間しかないと言われる。この時間をいかに野球観戦に充ててもらえるか、そういう観点で考える必要がある。

高橋宏・HRI理事長

 個人的には巨人は嫌いだ。大枚をはたいて大物選手を連れてくれば強いのは当然である。阪神などのセリーグ球団が1リーグ制に反対するのは、巨人との試合が減るからであり、パリーグの各球団が1リーグ制の導入を進めたがるのは、巨人との試合で多くの利益をあげることができるからだ。こんな不純な動機ではプロ野球は立ち行かなくなるだろう。

その他の発言

 野球のアジアリーグを作って、そこの優勝チームと米メジャーリーグの優勝チームで試合をして、本当の世界一を決められるようなシステムを作るべきだ。ソウルには1000万人、釜山には400万人、台湾には200万人が密集している。これだけの規模のマーケットを見逃してはならない。野球のアジアリーグを触媒にして、経済面の交流も活性化される。そこからアジア通貨にもつながる可能性もある。

 様々な社会問題の根本にあるのはお金の問題だ。ジャイアンツの利益を均等配分するべきである。老舗であるジャイアンツがこれくらいの覚悟を持って取り組まないと、今回の問題は解決しない。

 なぜ人を運ぶ会社が良くて、情報を運ぶ会社が球団を持てないのか。お金がないから、こういった問題が表面化したのに、「金さえあればいいってもんじゃない」という渡辺オーナーの発言はおかしい。

 昔は巨人戦しかテレビでやらない。だから巨人ファンが多いのは当然。これからはフランチャイズを徹底しないといけない。今回、オリックスと近鉄が合併することになっているが、この2球団は阪神とファン層を食い潰しあっている。だから合併するにしても、東北や四国に本拠地を移転するべきである。

 地方化の流れに沿って球団を作るのなら、地方の人口は少ないから、東北なら仙台、秋田、青森で1チーム、四国なら高松、松山、高知で1チームという風に複数フランチャイズ制にするべきである。

 創造的破壊が行われるのであれば、1リーグ制に反対しない。1リーグ制によって、良い淘汰がなされる可能性もある。

 配当を入場券にして、優先株を発行すれば、本当に野球を好きな人は購入する。自分の投資で実現できた野球なら、応援する側も活性化するのではないだろうか。

 日本のプロ野球選手はサービス精神に欠ける。アメリカの選手はサインをしたり、写真を取ったりと、ファンへのサービスは徹底している。こういった小さな積み重ねが足りないから、危機に面した時に、簡単に崩れてしまうのではないか。

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