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鈴木壮治の【言いたい放題】

第22回 今こそ議論すべき「日本の核抑止力」

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写真は、文意と関連なく、季節の風景を入れています。ロード毎に変わりますのでこちらもお楽しみ下さい。

 北朝鮮が、核実験を行い、日本は、北朝鮮の核兵器の脅威に曝されることになった。当然、このような事態は想定されていた筈である。政府は、日本の北朝鮮の核脅威から、どのように、日本を守るかを真剣に議論し、その対処策を、国民に説明しておくべきであった。それなのに、いざ、北朝鮮が核実験を行なっても、政府要人の多くは、「今、日本が自らの核抑止能力を議論することは、避けるべき」と言っている。今しなくて、いったい、日本は、何時、自らの核抑止能力を議論するのか。

 国益を最大限追求する米国から見れば、日米安保は、日本を守るよりも、日本を軍事的に米国に隷属させ、さらに、東アジアにおける米国の軍事的橋頭堡にするというのが、米国にとっての戦略的価値であろう。

 その戦略から判断するに、軍事的自立を可能とする日本の核武装を、何が何でも、阻止したいのが、米国の真意であると思われる。よって、米中は、日本に核武装をさせないという点では、意見が一致する。

 つまり、外交・防衛における日本の自主権を回復させないのが、米国の基本戦略である。我々国民は、米国への日本の隷属体制を継続するか、あるいは、真の自主独立を目指すかを、真剣に議論し、考えるべきである。それが無いが故に、米国の核の傘に守られながら、非核三原則に固執するという、「平和国家ぶり」をすることになってしまうのである。本当に平和国家を目指すのであるならば、米国の核の傘を断り、全ての通常兵器をも、放擲するしかないと思われる。しかし、そうすれば、アジアでの軍事的覇権を明確に持つ中国の属国になるか、米中の狭間で、大国のご機嫌を伺うのみの二等国家に成り下がるであろう。

 米国から、真の独立を勝ち取ることは、米国と敵対することではない。逆に、自主独立した日本こそ、アジア・太平洋での安全保障を担う米国の信頼すべき頼もしいパートナーとなるであろう。

 政治・外交・経済での自主独立には、軍事的な自主独立の達成が必要不可欠である。もし、台湾が独立を宣言し、中国が台湾に軍事攻撃をかければ、米国は、台湾を守ろうとするであろう。その際、中国は、米軍基地を持つ日本に対しても、核攻撃の脅かしをかけてくるであろう。その際、これから導入するであろうMDも米国の核の傘も、本当に頼るに足りるものであろうか。

 台湾有事の際、中国は、日本のみに、小規模な核攻撃をして、なんでもやるという戦意を米国に示し、米国の妥協を引き出すことも有り得るシナリオであろう。日本を先にやられた米国は、後手に回るしかなく、米中の核戦争を避けるために、中国の台湾併合を認める可能性が強い。そのような事態は、日本としては、絶対に避けなくてはいけないことである。そのためには、日本独自の中国に対する核抑止力をもつしかないと思われる。それこそが、日本の真の自主独立につながる軍事的自立であり、米国のアジア・太平洋における安全保障能力を支えるものである。

 国民こそが、日本の真の自主独立、そして、どのように日本を守るかを考え、政治にそれを実行させるべきである。それなくしては、我が国には、将来は無い。

( 2006年10月26日 / 鈴木壮治 )

※記事の無断転用・掲載は、厳禁する
鈴木壮治 / SOJI SUZUKI
一橋総研 統括責任者
株式会社日本リスク管理研究所・代表取締役
NPO法人・新日華産業技術フォーラム・理事
財団法人・日本科学振興財団・理事
一般社団法人・日中文化経済交流発展基金会・理事
日本ラオス文化経済交流協会・理事

静岡県浜松市出身。米国ペンシルヴァニア大学・大学院ウォートンスクール経営学修士(MBA)取得後、1975年 三井物産入社(化学プラント部)同社で2年間の米国研修を経て、1987年シティバンク入社。デリバティブ・ヘッジファンド担当のアシスタント・バイス・プレジデント。1989年からはチェースマンハッタン銀行のバイス・プレジデントに就任。その後、1996年に株式会社日本リスク管理研究所設立・代表取締役就任。現在に至る。共著に『宣戦布告「NO」と言える日本経済』(光文社)、『国家意志のある「円」』(光文社)、『アメリカ信仰を捨てよ』(光文社)、『「日本浮上」プロジェクト』(ブックハウスジャパン)などがある。
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