金融の根幹を民へ 郵政民営化が参議院で否決された。そして、小泉首相は、衆議院の解散を断行。そして、反対した者の選挙区に、自民党推薦の候補を擁立し、反対派の一掃をはかる。 参議院採決の前に、新党創設の可能性を匂わした反対勢力。急遽、国民新党を創設し、闘う。 郵政民営化は、「金融の根幹を官から民が取り戻す」・金融革命への引き金を引く。日頃、官主導打破を説く民主党が、郵政民営化に反対するのは、理解に苦しむ。 小泉首相とその追随者、亀井氏とその賛同者、そして、民主党も、郵貯・簡保を取り込み口とした「不透明な特別会計」を是認することはできない。反対勢力が、「郵政民営化こそが、それを打破する」と説く小泉首相を論破できないのは当然である。 しかし、小泉首相の「郵政民営化」には、全面的には賛成できない。 小泉首相の器 小泉首相には、郵政の民営化に代表されるような金融戦略を、国の安全保障戦略に組み込む意志と能力に欠ける。さらに、グローバルな金融の流れを理解しようとしない。 それでは、クリントン大統領時代に始まった金融を総合的安全保障に取り組んだ米国の戦略性に、太刀打ちできない。郵政の民営化は、日本政府に対する米国の年次改革要望書に盛り込まれていた。狙いは、350兆円もの郵貯・簡保の資金を、米国勢が牛耳ろうというものである。 郵政民営化は、進まなければいけない道である、しかし、官から民への流れが、「官から米国」では、国民はやりきれない。それを、どのように防ぐかを、小泉首相は、国益を守る総合的安全保障戦略とともに説明する義務を負っている。それができないようであるならば、首相としての器量を問われる。 衆議院選挙に望む 今回の選挙の焦点は、妥協により形骸化し、政局に使われる「小泉郵政民営化」ではなく、少なくとも、下記は、十分に論じられるべきである。 - 日本経済再生のため、官に牛耳られた金融の開放
- 官から民へ、マネーがシフトする前に、日本の民間(個人・企業)の投資・運用の能力を高め、欧米の「金融侵食」を防ぐ具体的な戦略
- 官が使う国民のマネーへの監視機構とその権限の確保
- 米国に追従しない日本独自の総合国家安全保障戦略(その中に郵政民営化などの金融戦略も含まれる)の構築とその実行
( 2005年08月19日 / 鈴木壮治 ) ※記事の無断転用・掲載は、厳禁する |