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鈴木壮治の【言いたい放題】

第9回 北朝鮮と日本の防衛

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写真は、文意と関連なく、季節の風景を入れています。ロード毎に変わりますのでこちらもお楽しみ下さい。

中国の覇権を許さない米国

 ブッシュは、2002年の秋、「潜在的な敵国が、アメリカを凌ぐ、もしくは、同等となるために、軍備を強化することを思いとどまらせる」と、言い切り、米国に挑戦する覇権国家を許さないとした。

 その敵性国家とは中国である。EUの勃興、ロシアの回復、そして中国の大国化により、その米国のグローバル覇権に、影が生じつつある。米国は、ユーラシア大陸への影響力を強めるため、中国を民主化し、米国の影響下に置く戦略を発動させようとしている。

 まず、北朝鮮を中国に押し付けることが、その一歩であろう。

中国にとっての北朝鮮の利用価値

 北朝鮮には、資源も無く、中国は、近い将来の台湾との戦いにおいての『捨石』としてしか、北朝鮮を見ていない。核を持つことにより、中国からの圧力も避けようとしている北朝鮮。その核兵器開発をストップさせようとしている米国の動きに、中国としては、乗るしかないと思われる。

 よって、米国による北朝鮮攻撃を、中国は黙認し、金正日政権崩壊の後、日本、米国、ロシアそして韓国の了解を得て、親中国政権を北朝鮮に樹立させると思われる。

 そして、中国は、その軍事支配下の北朝鮮に、台湾を狙うミサイルを置くと予想される。台湾へのミサイル攻撃は、北朝鮮から行わせ、台湾からの反撃をできるだけ北朝鮮に集め、中国本体の犠牲をできるだけ軽減するのが中国の軍事戦略である。

何故、米国は北朝鮮を攻撃するのか

 北朝鮮が、中国の支配下に置かれることになるのに、なぜ、米国は北朝鮮を攻撃するのか。理由としては、次が考えられる。

(1)経済的破産国家である北朝鮮の面倒を見るのは、中国経済への重荷になる。しかし、北朝鮮を米国に任せることは、地政学的に、中国は容認できない。米国は、金正日政権を倒すことにより、無理やり、中国に北朝鮮の面倒を見させることになる。

(2)北朝鮮を中国に任せる交換条件として、日本、台湾にMDを導入させることを、中国に認めさせる。

(3)米国主導のMDを、日本と台湾に導入させ、完全に、両国を米国の軍事的属国にし、中国と台湾(米国の代理)の戦争に備える。

日本の防衛戦略

 米国は、北朝鮮を攻撃した場合、狙われる在韓米軍の削減に踏み切った。その結果、以前よりも楽に、米国が北朝鮮を攻撃できるようになると、韓国は危惧している。北朝鮮を米国が攻撃した場合、日本は、テロ攻撃、弾道ミサイルの的になり、また、難民が北朝鮮、韓国から押し寄せ、大混乱に陥るリスクが高い。よって、米国の「暴挙」を防ぐのを、第一義の戦略とすべきである。

 そのためにも、一刻も早く、北朝鮮との国交を回復し、米国と北朝鮮との「会話」のINTERMEDIARYとなり、東アジアの政治・軍事の安定のための主導権を日本は握るべきである。戦略的に後手に回っている中国とも、秘密裏に、対話をし、金正日崩壊のソフトランディングと、北朝鮮の中立化と経済再生のための各国の協力・支援体制を固めるべきである。

 それと同時に、万が一、米国が北朝鮮を攻撃した場合を想定し、下記をきっちりとしておくべきである。

(1) 政経中枢、原発、米軍基地周辺を、自衛隊が、テロに備え、守れるようにしておく。

(2) 在韓邦人の救出体制の確立

(3) 武装難民への対処として、警察、自衛隊および海上保安庁との連携の強化

(4) 迅速に政府が防衛出動を決定できようにしておく。

(5) 北朝鮮の弾道ミサイルを早い段階で押さえられるように、集団自衛権の行使を可能としておく。

( 2001年11月29日 / 鈴木壮治 )

※記事の無断転用・掲載は、厳禁する
鈴木壮治 / SOJI SUZUKI
一橋総研 統括責任者
株式会社日本リスク管理研究所・代表取締役
NPO法人・新日華産業技術フォーラム・理事
財団法人・日本科学振興財団・理事
一般社団法人・日中文化経済交流発展基金会・理事
日本ラオス文化経済交流協会・理事

静岡県浜松市出身。米国ペンシルヴァニア大学・大学院ウォートンスクール経営学修士(MBA)取得後、1975年 三井物産入社(化学プラント部)同社で2年間の米国研修を経て、1987年シティバンク入社。デリバティブ・ヘッジファンド担当のアシスタント・バイス・プレジデント。1989年からはチェースマンハッタン銀行のバイス・プレジデントに就任。その後、1996年に株式会社日本リスク管理研究所設立・代表取締役就任。現在に至る。共著に『宣戦布告「NO」と言える日本経済』(光文社)、『国家意志のある「円」』(光文社)、『アメリカ信仰を捨てよ』(光文社)、『「日本浮上」プロジェクト』(ブックハウスジャパン)などがある。
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