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鈴木壮治の【言いたい放題】

第3回 構造改革特区の問題点

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写真は、文意と関連なく、季節の風景を入れています。ロード毎に変わりますのでこちらもお楽しみ下さい。

 構造改革特区は、政府のデフレ対策ための規制緩和の一環として、進められている。 政府は、口も出さないし、カネも出さず、民間と地方自治体の独自の動きを歓迎するというものである。簡単に言えば、ある企業が経営不振に陥り、経営陣が、各支店に対し、「本社は、資金もつき、ビジネス・アイディアも無くなった。よって、各支店の奮闘を期待する」というものであろう。

 これでは、日本経済の再生はできない。各地方自治体がてんでばらばらにやると、日本全体の経済力が落ちる可能性もある。極端な例として、ある地方自治体が、中国から、殆ど、輸入税無しで農産物を輸入できる特区を設置した場合、輸入された非常に安い中国産の農産物が、他の地方へも流通し、それらの地域の農家を直撃することもありうる。

 アイルランドが、ドックヤードを金融特区にして、大成功したのも、その地域の事業税などを免除したからである。そこには、国として、金融産業を振興させ、そのためには、自らの血も流す(税収が減るのを我慢する)という明確な国家意思があったはずである。

 日本経済再生のためには、東京湾全体を総合経済特区にして、世界のマネー、人、情報を集める情報通信・金融そして運輸のハブ機能をつくりだすべきである。その中核戦略なくして、各地方自治体そして民間に、何の、国家としての規制緩和・特区の統合戦略無くしては、今の構造改革特区構想は、単なる、国民に対する宥め策でしかない。

( 2003年03月11日 / 鈴木壮治 )

※記事の無断転用・掲載は、厳禁する
鈴木壮治 / SOJI SUZUKI
一橋総研 統括責任者
株式会社日本リスク管理研究所・代表取締役
NPO法人・新日華産業技術フォーラム・理事
財団法人・日本科学振興財団・理事
一般社団法人・日中文化経済交流発展基金会・理事
日本ラオス文化経済交流協会・理事

静岡県浜松市出身。米国ペンシルヴァニア大学・大学院ウォートンスクール経営学修士(MBA)取得後、1975年 三井物産入社(化学プラント部)同社で2年間の米国研修を経て、1987年シティバンク入社。デリバティブ・ヘッジファンド担当のアシスタント・バイス・プレジデント。1989年からはチェースマンハッタン銀行のバイス・プレジデントに就任。その後、1996年に株式会社日本リスク管理研究所設立・代表取締役就任。現在に至る。共著に『宣戦布告「NO」と言える日本経済』(光文社)、『国家意志のある「円」』(光文社)、『アメリカ信仰を捨てよ』(光文社)、『「日本浮上」プロジェクト』(ブックハウスジャパン)などがある。
 バックナンバー
■第1回 いまこそ改革に民の力を
■第2回 グローバル時代の機密費とは
■第3回 構造改革特区の問題点
■第4回 闘う気があるのか、日本経済
■第5回 イラク・フセイン政権崩壊に思う
■第6回 沖縄金融特区構想
■第7回 国際金融から、日本の大戦略を考える
■第8回 李登輝氏と会い、憲法を考える
■第9回 北朝鮮と日本の防衛
■第10回 グローバル時代の安全保障
■第11回 日本の未来戦略
■第12回 国際金融という闘いの場
■第13回 日本経済再生戦略
■第14回 日本の安全保障戦略
■第15回 日本の外交戦略
■第16回 日本のエネルギー戦略
■第17回 日本の都市革命
■第18回 郵政民営化と国家安全保障
■第19回 日本の情報通信戦略
■第20回 未成熟な政治マーケット
■第21回 日本を守るのは国民
■第22回 今こそ議論すべき「日本の核抑止力」
■第23回 日米FTA・日中FTAの可能性を問う
■第24回 目覚めよ、日本国民!
■第25回 安倍首相の突然の辞任と日本の安全保障
■第26回 日米関係再構築と環境安全保障戦略
■第27回 グローバル時代の集団的自衛権構想
■第28回 「NOと言える日本」からの脱却とグローバル経済安全保障
■第29回 武士道の倫理は、米国の力と資本の論理を超える!
■第30回 オバマ・アメリカに対して
■第31回 政治を取り戻せ日本!
■第32回 安全保障問題と日本
■第33回 新自由主義を超える日本の心
■第34回 WIKILEAKSの「国家機密漏洩」を考える
■第35回 今望まれるインドとの戦略的連携
■第36回 東日本復興の理念「フクシマ・コンセンサス」
■第37回 日本の共同体思想が世界経済を救う
■第38回 欧米危機から学ぶ「国家と企業の連携」
■第39回 日本よ、デフレ脱却のモデルとなれ
■第40回 グローバル濁流へ対峙する「新国家主義」
■第41回 アルジェリアの悲劇 − 問われる日本国家の国民を守る力
■第42回 ユーラシアのエネルギー地政的「周辺国家」からの脱却
■第43回 日米原子力協力協定更新と電力システム改革
■第44回 「2020年東京オリンピック開催危機」打破のための日本の安全保障戦略
■第45回 尖閣諸島・北方領土に繋がるウクライナ危機
■第46回 地方創生と脱国家時代のナショナリズム
■第47回 安全保障法制考究と日本の安全保障
■第47回 安保法制そしてアベノミクスで日本を守る!
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