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酒井吉廣の″米国・これが真実!″

第十八回 大統領選挙まであと二週間:三回目のディベートとその後

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写真は、文意と関連なく、季節の風景を入れています。ロード毎に変わりますのでこちらもお楽しみ下さい。

ディベートではオバマに軍配が上がるも支持率はマッケインが追い上げ

 9月はオバマが米国の歴史に残る選挙資金集めに成功した。

 また、10月18日にはペイリン共和党副大統領候補がテレビ出演して、再び資質を疑われるような失態を演じて失笑を買うなど、オバマの勢いが増している。

 ところが、マッケイン支持率はむしろオバマ支持率との差を縮めている。

 第三回目で最後のディベートは、オバマの圧勝だった。誰もがインタビューでそう答えているほか、個別の項目別では50ポイントという大差のついたものまで出たほど。しかし、両者の総合力を同考えるかの差では「59対41」と、第二回目より縮小している。

オバマが、「テロリストと呼ばれること、彼を殺せと言われること、これはマッケイン陣営のネガティブキャンペーンだ」と言ったところなどは会場が静まった・・・にも拘らず・・・だ。

 マッケイン陣営は、ペイリンの18日のテレビ出演へのメディアの対応も含めて、メディアはオバマの潤沢な選挙資金で買収されている、というキャンペーンを始めた。なりふり構わないという印象で、共和党支持の有名大学教授でさえ気にかける内容。でも、こうした状況で、彼の支持率はむしろオバマとの差を縮めている。

メディアはどちらに有利に動いているのか

 日本のメディアを批判する声は日本国内で増えている。しかし、メディアが自分たちの思想を持つというのは欧米では普通のことで、今回の大統領選挙でもメディア別に色彩がある(日本と違うのは、常に強いほうを応援するのではなく、保守かリベラルかで異なる)。

 ただ、大統領選挙のキャンペーン・コマーシャルは、どっちを信じるかを自分で判断せざるを得ません。なぜならば、ここにメディアが色をつけることはないからだ。また、州によってコマーシャルの頻度なども異なる。従って、「メディアが悪い」というマッケイン陣営の発言も、それ自体が重要な選挙活動になる。

 今回のマッケイン陣営の行動は、確かに彼の持つ政治への崇高な意識と経験が上手く表に出ていないことへの憤りもあるように感じるので、それを宣伝でカバーしていくことは選挙手段なのだろう。

 特に、三回目のディベートは結構マッケインにとって苦しい結果だから、この巻き返しが重要となる。

 また、メディアもあくまで企業なので、収入を上げるためにお金をくれるコマーシャルを拒むことはない。FOXチャンネルだって、普通の営業活動としてオバマのコマーシャルをやることはあるのだ。

何が最後の決め手か

 ここまでくると、支持率の変化はあまり意味がない。従って、今回(10月22日)はそれを掲載しない。

 また、ここまでくると、重要な要素は、[鯊綢臈領で初めてのアフリカ系が登場するか、最高齢が登場するか、の争い、▲屮奪轡綢臈領の政策をどちらが上手く現在の問題に当てはまるように変えられるか、の二点となることである。さらに、最後まで信用できる大統領と副大統領の組み合わせはどちらか、である。この場合、大統領に万一の場合に副大統領が全てを引き受けるので副大統領の資質が問われる。とすると、ペイリンは共和党支持者からも疑問が出ている点で苦しいか。

 アメリカは、この感覚で大統領選挙を迎えることとなる。

( 2008年10月22日 / 酒井吉廣 )

※記事の無断転用・掲載は、厳禁する
酒井吉廣 / YOSHIHIRO SAKAI
一橋総合研究所 正会員
日本銀行にて、営業局(現金融市場局)、考査局副調査役、信用機構室調査役(マクロ・マネタリーポリシー、ミクロ・プルーデンスポリシー、およびペイメント・システムの中央銀行の三機能に従事)など十五年勤務。その後、アメリカ公共政策研究所(American Enterprise Institute)に主任研究員として三年勤務。現在は、戦略国際問題研究所(Center for Strategic and International Study)客員研究員、および関西学院大学非常勤講師。米国犯罪学会員、米国企業再生委員会会員、国際公共経済学会会員、米国リスクマネジメント協会会員。APECや日米財界人会議など欧米での講演、TV・ラジオ出演、FTやInternational Economyなどの英字新聞・雑誌への寄稿多数。「ハンドブック・CMBS(商業用不動産ローン担保証券)」(エール大学ファボッチ教授著)の翻訳を金融財政事情研究会より、「逆プラザ合意」をオーエス出版より出版。
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